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ブックレット『森美術館問題と性暴力表現』を出版

ブックレット『森美術館問題と性暴力表現』

ブックレット『森美術館問題と性暴力表現』

 
 私たちは今年の1月から森美術館における会田誠の性暴力展示をめぐって問題提起を行ない、性暴力作品の撤去を森美術館側に要請するとともに、広く世間に訴えてきました。森美術館側は私たちの要請をはねつけ、性暴力作品は撤去されないまま会田誠展は3月に終了しました。

 しかし、私たちはこの問題を一過性のものとせず、またこれが単に特定の美術館、特定の作家、特定の展覧会の問題ではなく、この日本社会に根深く存在する性差別や女性蔑視の一つの現われであることを明らかにするために、多くの人々の協力を得て、このたび、『森美術館問題と性暴力表現』(不磨書房、1800円)というブックレットを出版することにしました。

 本書は3つの部に分かれています。第1部は、さまざまな人々にさまざまな角度から今回の森美術館問題について論じていただいています。第2部は、今回の事件を受けて2月と3月に行なわれた緊急討論集会の記録です。第3部は資料編であり、私たちの会の抗議文をはじめとしてこの間に出されたさまざまな声明や抗議文や回答などを掲載しています。

 この機会にぜひお買い求めくださるようお願いするとともに、周囲の人々に普及していただき、性差別と性暴力表現をめぐる議論の一助にしてください。よろしくお願いします。
   

目次

はじめに 問題の発端と経過   ポルノ被害と性暴力を考える会

第1部 森美術館問題、私はこう考える
イダヒロユキ「性暴力被害者の声に耳を傾けず主流秩序にいなおる森美術館」
梅山美智子「男性雑誌と性表現」
岡野八代「何に、私は危害を感じているのか?――森美術館問題とヘイトスピーチ」
西山千恵子「芸術という制度と『女』の沈黙」
前田朗「ジェンダー・ヘイトスピーチを考える」
宮口高枝「森美術館・会田誠展への港区での請願経過」
森田成也「在特会デモと会田誠展とのあいだ」
横田千代子「婦人保護施設の現場から訴えたいこと」

第2部 森美術館問題をめぐる討論集会
  Ⅰ、第1回討論集会(2013年2月5日)
宮本節子「芸術表現と人間の尊厳」
森田成也「ポルノ表現と性暴力をめぐって」
前田朗「表現の自由と責任―博物館法における社会的責任」
  Ⅱ、第2回討論集会(2013年3月23日)
角田由紀子「ポルノ被害とは何か」
前田朗「<博物館事件>小史」
宮本節子「森美術館との話し合いの顛末」

第3部 資料
No.1 森美術館への抗議(ポルノ被害と性暴力を考える会)(2013.1.25)
No.2 賛同者288人による個人抗議(宮本節子)(2013.2.1)
No.3 森美術館への抗議(金尻カズナ)(2012.2.2)
No.4 森美術館の回答(2013.2.5)
No.5 森美術館への再回答(ポルノ被害と性暴力を考える会)(2013.2.15)
No.6 森美術館への抗議(「石原都知事の女性差別発言を許さず、公人による性差別をなくす会」)(2013.2.18)
No.7 港区議会への請願書(2013.2.20)

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第4回シンポ報告書を発行

 みなさんお待たせしました。このたび、第4回「ポルノ被害と女性・子どもの人権」シンポジウム「国際的に広がる性売買被害~オーストラリア・韓国・日本の現状から~」の報告書が完成しました。

 昨年、私たちは初めて国外からシンポジストをお迎えして、国際シンポジウムを開催しました。日本におけるポルノは韓国や台湾などに大量に輸出されるとともに、アジア地域の人身売買は、日本、韓国、オーストラリアが、出発点になったり、中継点になったり、終着点になったりしています。これら環太平洋諸国は性売買において相互に結びついており、したがってそれに反対する運動も相互に協力していく必要があります。

 そうした観点から、昨年の9月、私たちは、韓国とオーストラリアから、研究者でありまた活動家でもあるキム・コ・ヨンジュさんとキャロライン・ノーマさんをお迎えして国際シンポジウムを開催しましたが、その記録が今回、報告書として出版される運びとなりました。

 当日は残念ながら台風の影響で、会場からの質問に回答する時間がなくなってしまいました。そこで、今回の報告書では、当日出された多くの質問に対する詳細の回答を報告者から書いていただき、それを特別に掲載しています。また、資料として、韓国の性売買防止法などの種々の法律も掲載しています。当日シンポに参加できなかった方も、また参加された方も、ぜひお買い求めください。

 価格は1冊1000円です。名前、住所、冊数を明記の上、メールフォームから注文をしていただくか、ファックスで注文してください(03-6304-2564)。報告書に振込用紙を同封しますので、報告書が届きしだい、なるべく速やかに同封の振込用紙にてお支払い下さい。

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森美術館問題に関わる諸文書

 森美術館における「会田誠展」をめぐっては、多くのメディアでも取り上げられ、またネットでも大きな話題となっています。そこで、2013年3月5日時点での、森美術館問題に関する主要な文書をここにまとめて紹介しておきます。

1、森美術館への私たちの会の抗議文
2、森美術館からの回答
3、森美術館の回答に関する私たちの見解
4、森美術館への個人抗議文1
5、森美術館への「公人による性差別をなくす会」の抗議文

 以上です。

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森美術館問題を追加

 「アクション」ページに「森美術館問題」を追加しました。現在、森美術館では、「会田誠展~天才でごめんなさい」が開催されていますが、そこには多数の性暴力的展示がなされています。

 私たちはこの展示に抗議するとともに、広く協力をつのって、この問題を国内および国際的に訴えていきたいと考えています。

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メルマガ16号

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.016 2013年01月28日 発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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 今年はじめてのメールマガジンになります。今年もよろしくお願いします。今回のメルマガでは
この間における私たちの会の2つの重要な取り組みについてご報告します。

■アメリカの反ポルノ・ドキュメンタリー映画「快楽の代償」の日本語字幕版の上映運動
 私たちは昨年の末から、アメリカのニューヨーク大学の准教授でドキュメンタリー作家で
あるソン・シンさんが制作した反ポルノ・ドキュメンタリー映画『快楽の代償』
(http://www.thepriceofpleasure.com/)の日本語字幕版の上映運動に
取り組んでいます。昨年の12月22日に最初の上映会を、ポルノ・買春問題研究会
(APP)と合同で東京で開催し、20名の参加を得ることができました。参加者から
は「衝撃を受けた」「深く考えさせられた」との感想が寄せられています。今後とも、各地
で上映会を開催するつもりでいますので、ぜひ私たちの地元で開催してほしいという方が
おられましたら、PAPSまでご連絡ください。

■森美術館「会田誠展」における性暴力展示

 去年の11月から今年の3月まで、森美術館において「会田誠展 天才でごめん
なさい」という展覧会が開催されています。この会田誠展には、四肢切断された全裸の
少女が首輪をされて微笑んでいる「犬」という題名の連作をはじめとして、性暴力性と
性差別性に満ちた作品が多数、展示されています。
 (作品の一部は、森美術館の公式ブログにて紹介されていますので、それを参照してください
→http://moriartmuseum.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/11-3dba.html)
(後に問題の絵を削除)

 これらの作品は、残虐な児童ポルノであるだけでなく、きわめて下劣な性差別であると
ともに障がい者差別でもあります。このようなものが、同人誌にこっそり掲載されているので
はなく、森美術館という公共的な美術館で堂々と展示され、しかも、各界から絶賛され
ているというのは、異常としか言いようがありません。すでにNHKの「日曜美術館」で肯
定的に取り上げられ、最新の『美術手帳』では特集さえ組まれています。
 私たちは、森美術館に対して1月25日付で抗議文を送付するとともに、多くの団体・個人と協力
してこの問題を広く世論に訴えていきたいと考えています。またこの問題を国際的にも
訴えていきたいと考えていますので、みなさんのご協力を求めたいと思います。

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メルマガ15号

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.015 2012年10月23日 発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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 新聞によると世界的に今年の9月は観測史上最も暑い月だったそうですが、10月に入
って、ようやく本格的な秋の気配になってきました。今回のメルマガは、先月の30日に
開かれた第4回「ポルノ被害と女性・子どもの人権」シンポジウムの簡単な報告をさせて
いただきます。

■第4回シンポジウムは120人弱の参加
 先月、9月30日に大妻女子大学で第4回シンポジウム「国際的に広がる性売買被害~
オーストラリア・韓国・日本の現状から~」を開催しました。オーストラリアと韓国から
パネリストをお迎えしての国際シンポジウムは初めての試みでしたが、パネリストの方の
素晴らしいご報告と、その後の熱心なディスカッションのおかげで、内容的には素晴らし
い成功を収めることができました。ただ残念なことに、当日、台風が首都圏を直撃するこ
ととなり、質疑応答の時間を削って、予定より1時間以上早く切り上げなければならない
事態になりました。また、台風の影響からか、参加者も例年よりも少なくなりました。し
かし、それでも天候の悪い中、120名弱の方々に参加していただき、シンポジウムを無事
成功させることができました。参加者のみなさん、ボランティアのみなさん、まことにあ
りがとうございました。

 以下、当日の参加者の方からの感想をいくつか抜粋させていただき、当日の雰囲気を
お伝えします。

★ キャロライン・ノーマさんのお話への感想
 「日本とオーストラリアの人身売買での歴史的な背景を知ることができました」「オー
ストラリアと日本の性産業の関係性がとても分かりやすく、深く理解することができまし
た」「性売買については、東南アジア、中南米、ロシア、CISに多くの目が向いていると
思いますが、大洋州にも目を向ける必要があるのですね。不勉強であったこともあります
が、日本とオーストラリアの関係が意外に感じられました」「売春を合法化するというこ
とだけでは、資本化された商業主義的な性産業のなかで、女性や子どもの人権、売春者の
人権を守ることはできないということがよく分かって面白かったです。また、売買春とポ
ルノグラフィの問題が地続きであることを改めて考えさせられました」「オーストラリア
という国のイメージはおおらかでステキな“観光”というものでした。どの国にも暗いも
のはあるのだとよくわかりました。また、日本のポルノ文化の影響の大きさにおどろき、
また悲しくなりました」「こういった所で日本とオーストラリアがつながってしまってい
るなんて知らなかった。また、『文化』として日本のポルノの内容が美化され、ポピュラー
になっているということは、ショックだった」

★キム・コ・ヨンジュさんのお話への感想
 「同じアジアで性売買防止法という法律の制定が完備していることに刺激を受け、勇気
づけられます」「10代の買春問題について、日本と共通する部分も多く、興味深かった」
「韓国の問題には関心があるので家父長的社会における女子の地位向上と性問題の相関は、
日本でも重要な観点だと思う」「とてもわかりやすく、よく研究されていて実情には驚く
ことばかりだった。その“自発的な性売買”って、女性としてどうとらえたらいいのか、
もう少し詳しく知りたいと思いました」「やはり日本のさまざまな影響や余波をうけてい
る事(援助交際・漫画etc)が話されていたが、グローバルな視点で、せめて意識ある女
性が手をつないで売買春防止ととりくむ必要性を感じた」「性売買防止法の最初の説明を
聞いて、日本よりいいじゃないかと思ったが、実際をともなっていない現状がわかった。
最後の相互矛盾以降のことがとても印象的だった。自発的性売買は結局自己責任となって
いて、本当に現実はひどいと思ったし、男性優位社会への強い疑問を感じた」「フィール
ドワークの発表ということで、実際に経験した方たちのリアルな意見を聴けたのが貴重で
した。現実に起こっている出来ごとと、それに関わった人たちが何を思っていたのかを知
れた」

★大森佐和さんのお話への感想
 「子どもポルノは、はっきり性虐待といって下さってありがたかったです」「日本のポ
ルノ問題について整理ができ、改めて早くポルノ規制を強化し、ポルノ/性の搾取を失く
していかなければと思います」「何ゆえ子どもポルノ規制が進まないのか、その問題の核
が見えたような気がしました。また先生の力強いメッセージ“大人の責任”“子どもの人
権を守る”ということが伝わってきました」「男性や国家がきれいな言葉をつかって(表
現の自由、国家権力恣意的乱用のおそれなど)本質をそらしているように感じた」「児童
ポルノについて、国を越えてという部分、考えたこともなかったです。勉強になりました」

 また、シンポジウム全体についても以下のような感想をいただいています。
 「3人の話しがわかりやすくなり、今後の方向性がもててよかった」「オーストラリア
・韓国・日本のそれぞれの今の問題を聞くことで、今までは、日本の実の問題に焦点をあ
てがちだったし、日本のことしか知らなかったので、実は性的問題は国を問わずに存在し
ていることを認識できました」「各国の被害の状況、各国の関わり合いについて詳しく知
りえることができ、被害は一国だけでは解決できないものであると理解することができま
した。外から見た海外からの目としての日本国内の被害の状況を客観的に知ることができ、
貴重な時間でした」「キャロライン・ノーマ氏のお話も、キム・コ・ヨンジュ氏のお話も
他国の実情に触れる有意義な内容でした。ただ時間がもう少しあれば・・・台風がうらめ
しい」「毎回このようなシンポジウムの企画・実施に感謝しています。グローバル化して
いる世界においてアンダーグラウンド化して増殖する性産業、人身売買、子どもポルノの
現状を知ることができました」「パネルディスカッションでは、日本の状況を客観的に見
た貴重な意見を聞くことができてよかったです」

 以上のようなご意見の他にも、いくつか批判的な意見や改善の提案などもいただいてお
ります。これからの活動の参考にさせていただきます。また当日は、私たちからの要請に
応えて、多くのカンパも寄せられました。参加者のみなさん、まことにありがとうござい
ました。
 これで、朝日新聞厚生文化事業団からの助成金にもとづく活動は一段落します。今後、
十分な資金がないもとで、どのような形で活動を継続し発展させていくか、会の中で話し
合って決めていきたいと考えています。少なくとも、今回のシンポジウムの報告書につい
ては、来年の春ごろには発行する予定にしています。シンポ当日の資料集には載せられな
かったさまざまな資料(韓国の種々の法律や日本における児童ポルノ法の各党の改正案な
ど)を掲載する予定です。詳しいことが明らかになりしだい、またこのメルマガでご報告
します。

■PAPSリーフレット完成
 前回のメルマガで、私たちの会について簡単に紹介するA43つ折りのリーフレットを
作成中であると報告しましたが、無事、リーフレットが完成しました。9月30日のシン
ポ当日には間に合いませんでしたが、ホームページからダウンロードできるようにしてあ
りますので、ご自由に入手してください。また、可能であれば、お知り合いの方にお配り
ください。

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メルマガ14号

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.014 2012年09月06日発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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 ついに9月になりましたが、あいかわらず残暑の厳しい日が続いています。それでも、
雲の形や空の青さ、風の心地よさに秋が感じられるようになってきました。

■シンポジウムまで1ヶ月足らず
 さて、いよいよ9月30日の第4回シンポジウム「国際的に広がる性売買被害~オース
トラリア・韓国・日本の現状から~」まで1ヶ月を切りました。美しいチラシも完成し、
8月半ばに各所に発送させていただきました。

ネット上では、http://paps-jp.org/wp-content/uploads/2012/08/20120930.pdf 
からダウンロードできますので、ご利用ください。また、報告予定者からの素晴らしい
報告原稿もあがってきています。当日のシンポジウムをぜひ楽しみにしてください。

■昨年のシンポの報告書が完成
 さて今回はもう一つ重大なお知らせがあります。昨年の第3回シンポジウム「子どもの
日常を取り巻く性被害~学校・ストリート・施設」の報告書ができあがりました。

 報告書は2部構成になっています。第1部は昨年のシンポジウムの逐一報告になってい
ます。当日の報告およびディスカッションが細部にわたって読むことができます。また当日、
会場で出されたけれども時間の都合で答えられなかった多数の質問に対する、各パネラーか
らの丁寧な回答も特別に掲載されています。

 第2部は、「イースト・プレス社問題と『表現の自由』」と題して、このメルマガ
でも紹介したイースト・プレス社問題を特集しています。私たちの会のメンバーだけで
なく、私たちと協力関係にある方たちからも、この問題に関するコメントをいただきました。
また、この問題は『週刊金曜日』にも飛び火しましたが、『週刊金曜日』で交わされた
論争についても取り上げています。以下に、この第2部における寄稿文の一部を表題だ
け紹介します。

・ 谷口和憲「脱ポルノ社会の実現に向けて」
・ 森田成也「『表現の自由』論のダブルスタンダード」
・ 宮本節子「官能表現の画家クリムトとその制作過程――性と暴力と受益者と…」
・ 中里見博「『表現の自由』の脱神話化と脱権力化が必要だ」
・ 二場美由紀「人の尊厳と表現の自由――福祉の現場から」
・ 金尻カズナ「ナチズムはどちらか? 真の犠牲者は誰か?」
・ 大原レイカ「レイプ神話と性暴力AVの真実」

 1冊1000円(+送料)でお分けしますので、ご所望の方は、メールでぜひ注文して
ください。よろしくお願いします。

 その他、この間の活動についていくつか報告をさせていただきます。

■ポルノ被害と売買春被害のアンケート調査
 まず、ポルノ被害および売買春被害について、全国のさまざまな福祉施設や市民団体に
向けたアンケートを今年の4~6月に実施しましたが、それに対するたくさんの回答が
寄せられました。この場を借りてお礼申し上げます。
 私たちは236の施設・団体にポルノ被害と売買春被害に関するアンケートを送付し、
60以上の施設・団体から回答が寄せられました。回答率は約25%です。その中で、ポル
ノ被害の相談等を受けたことがあるとの回答、および売買春被害の相談を受けたことが
あるとの回答が、それぞれ20以上あり、その内容も多くは非常に深刻で重大なものでし
た。
 このアンケートについて今後どのような形で生かしていくのがよいのかについては十分
に会の内部で検討したうえで、できるだけ有意義な形で活動に役立てていきたいと考えて
います。また、当事者への聞き取り調査も少しずつですが進行しています。

■PAPSリーフレットの作成中
 最後にもう一つ。現在、私たちの会について簡単に紹介するA43つ折りのリーフレット
を作成中です。できるだけ手にとりやすく、読みやすく、わかりやすいものをと考えて、
ワーキングチームをつくってデザインや文章を練っている最中です。うまくいけば、9
月30日のシンポジウムでお配りできると思います。

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メルマガ13号

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.013 2012年06月24日発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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ついに梅雨の季節になりましたが、みなさんいかがおすごしでしょうか。今回の
メルマガでは、今年の9月30日に予定されている第4回「ポルノ被害と女性・子
どもの人権」シンポジウムについてのご案内と、ついに公式公開することになった
PAPSのホームページについて報告させていただきます。

■1、第4回「ポルノ被害と女性・子どもの人権」シンポジウム
 今年のシンポジウムは国外からシンポジストをお迎えしての国際シンポジウムと
なります。日本におけるポルノは韓国や台湾などに大量に輸出されるとともに、ア
ジア地域の人身売買は、日本、台湾、韓国、オーストラリアが、出発点になったり、
中継点になったり、終着点になったりしています。これら環太平洋諸国は性売買に
おいて相互に結びついており、したがってそれに反対する運動も相互に協力してい
く必要があります。

「国際的に広がる性売買被害~オーストラリア・韓国・日本の現状から~」
日時:2012年9月30日(日) 13:00~17:30
会場:大妻女子大学千代田キャンパス(市ヶ谷校) 第150講義室

パネリスト
オーストラリア:キャロライン・ノーマさん(RMIT大学講師)
韓国     :キム・コ・ヨンジュさん(梨花女子大学研究教授)
日本     :大森佐和さん(ICU准教授)
コーディネーター:大森佐和さん

 キャロライン・ノーマさんは、オーストラリアのロイヤル・メルボルン工科大学
(RMIT)の「国際関係・社会科学・プランニング」学部の講師で、Coalition
Against Trafficking in Women Australia(CATWA:女性の人身売買に反対す
る同盟オーストラリア)の中心メンバーです。日本にも豊富な留学経験があり、日
本における売買春問題を論じた著作で博士号を取得しています。今年の1月に来日
し、PAPSおよびAPPのメンバーと交流しました。
 キム・コ・ヨンジュさんは、韓国の梨花女子大学の文化・女性研究科教授で、
韓国の10代の少女による「援助交際」に関するフィールドワークを長年行なってお
り、このテーマで著作も2冊出版しています。

 大森佐和さんは、日本の国際基督教大学(ICU)の教養学部准教授で公共政策
専攻。「ECPAT/ストップ子ども買春の会」のメンバーであり、私たちの会のメン
バーでもあります。

 キャロライン・ノーマさんからは、売買春が合法化されているオーストラリアの
現状(合法化すればセックスワーカーの環境が改善されるという議論は本当に正し
いのか、など)について報告していただくとともに、合法化が国際的に及ぼす影響
について報告していただきます。

 キム・コ・ヨンジュさんからは、韓国における少女買春の状況と日本のポルノが
韓国に及ぼしている影響、2004年に性売買禁止・保護法が施行されて、どのような
変化があったのかなどについて報告していただきます。
 大森さんからは、日本における少女買春の状況とポルノ被害の現状について報告
していただきます。

 ディスカッションでは、各国における性売買・性被害の共通性や相違、また各国間
の相互作用、さらに各国における反対勢力の相互連携の可能性について議論してい
ければと思っています。
 7月中にチラシを作成し、各地に送付するとともに、賛同団体を広く募って行く
予定にしておりますので、ぜひ第4回シンポジウムの賛同団体になってください。
また、さまざまな方からの個人メッセージも募集していますので、よろしくお願い
します。

■2、PAPSのホームページ
 長く待たれていたPAPSの公式ホームページがようやく正式公開の運びとなり
ました。http://paps-jp.org/

 コンテンツとしては、「私たちPAPSについて」「活動報告アクション」
「ポルノ被害とは」「被害を無くしたい方へ」「被害に遭われた方へ」などがあり
ます。「活動報告アクション」には、「イースト・プレス社問題」「ポルノ被害シ
ンポジウム」「被害聞き取り調査」などのサブコンテンツがあります。またこのメ
ルマガも1号から掲載されています。まだ建設途中なので、完成していないコンテ
ンツもありますが、今後、少しずつ完成させていく予定です。 
ぜひ定期的にチェックしてみてください。

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メルマガ12号

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.012 2012年05月02日 発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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 この間、私たちはイーストプレスという出版社とのあいだで抗議行動と
交渉を行なっており、この件について簡単にご報告させていただきます。

 2008年に理論社という良心的な児童書の老舗出版社が、「よりみちパン
!セ」シリーズの一環として、暴力アダルトビデオで有名なバクシーシ山
下が青少年に向けて性について語るというコンセプトの『ひとはみな、ハ
ダカになる。』を出版したことに対して、婦人保護施設の施設長などが抗
議し、絶版・回収を求める運動を行ない、1万名以上の署名を集めました。
 その理論社は、抗議側の主張にはまったく耳を貸さず、話し合いの場で
は抗議者たちに対して「ファシズムだ、表現の自由の侵害だ」と罵倒し、
抗議を一蹴しました。
 しかし、理論社はその後倒産し、「よりみちパン!セ」シリーズも宙に
浮いた状態になりました。しかし、このシリーズには同社のドル箱シリー
ズでもあったので、最終的にイースト・プレス社が版権を買い取り、復刊
することを決定しました。(ちなみに、理論社はその後、経営陣を一新し
た上で再建されており、今では旧理論社の立場と一線を画した立場を取っ
ています)
 私たちの会はこの情報を聞いて、もし復刊するならば、その中にバクシ
ーシ山下の『ひとはみな、ハダカになる。』は入れてほしくないと考え、
2011年に復刊をやめるよう要望書を同社に出しました。しかし、それに対
する回答はまったくなく、その後、2012年になって、同社に出向いて話し
合いを行ないましたが、その場でも、イースト・プレス社側はこちらの要
求を突っぱねました。この交渉後、「ポルノ被害と性暴力を考える会」と
して、質問状を出し(資料1参照)、それに対するイースト・プレス社とし
ての正式の回答を求めたところ、2012年2月末、イースト・プレス社の社
長名で正式の回答が寄せられました。(資料2参照。ただし、この回答書では
回答の日付が2011年と間違って表記されています)。
 その内容は、基本的にわれわれの予想していたものであり、ポルノが公
然と存在する事実と「表現の自由」の名のもとにバクシーシ山下の著作復
刊を当然とするものであり、抗議する側を「ナチズム」と罵倒するもので
した。また、私たちの質問状と読み比べていただければわかりますが、バ
クシーシ山下の暴力ビデオそのものに対する評価は何もなく、したがって、
そのような暴力ビデオを撮って名を成した人物が青少年向けに「性」につ
いて語る著作を復刊することの社会的意味についても、何も語っていませ
ん。それこそが、私たちの質問状の問いかけの核心であったにもかかわら
ずです。
 しかし、こういう形で正式の文書として見解表明させたことは、大きな
意味があったと思います。というのも、理論社のときは、そうした公式の
回答を求めなかったので、向こう側の言い分はただ口頭でしか表明されず、
それを批判するにしても、こちらが自主的にとってメモを参考にせざるを
えず、「言った言わない」の問題になってしまうからです。社長名で出さ
れた正式の文書である以上、それを取り上げて、しかるべき批判を加える
ことは非常に重要です。それは、「表現の自由」論がいかに濫用され、
「強者の特権」と化しているかを如実に示しています。
 さて、私たちはこの回答書を受けて、広く批判文章をつのるために、私
たちの関係するところにこの回答書をお伝えし意見を求めました。現在す
でにいくつかの意見が寄せられています。私たちは、5月中に私たちの会
のホームページを公開する予定ですが、その中で今回の質問と回答を掲載
することにしています。
 なお、われわれはこの回答を受けて日付のミスなど何点か問い合わせを
する文書をイースト・プレス社に送り、それに対するイースト・プレスの
再度の回答を受け取っていますが(日付のミスについては認めているが、
それ以外の点について退けている)、これについてはここでは紹介を割愛
させていただきます。
 いずれにせよ、われわれは今後とも、イースト・プレス問題について批
判のキャンペーンを行なっていきますので、みなさまのご協力をお願いします。

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