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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
vol.015 2012年10月23日 発行
【ポルノ被害と性暴力を考える会】
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新聞によると世界的に今年の9月は観測史上最も暑い月だったそうですが、10月に入
って、ようやく本格的な秋の気配になってきました。今回のメルマガは、先月の30日に
開かれた第4回「ポルノ被害と女性・子どもの人権」シンポジウムの簡単な報告をさせて
いただきます。
■第4回シンポジウムは120人弱の参加
先月、9月30日に大妻女子大学で第4回シンポジウム「国際的に広がる性売買被害~
オーストラリア・韓国・日本の現状から~」を開催しました。オーストラリアと韓国から
パネリストをお迎えしての国際シンポジウムは初めての試みでしたが、パネリストの方の
素晴らしいご報告と、その後の熱心なディスカッションのおかげで、内容的には素晴らし
い成功を収めることができました。ただ残念なことに、当日、台風が首都圏を直撃するこ
ととなり、質疑応答の時間を削って、予定より1時間以上早く切り上げなければならない
事態になりました。また、台風の影響からか、参加者も例年よりも少なくなりました。し
かし、それでも天候の悪い中、120名弱の方々に参加していただき、シンポジウムを無事
成功させることができました。参加者のみなさん、ボランティアのみなさん、まことにあ
りがとうございました。
以下、当日の参加者の方からの感想をいくつか抜粋させていただき、当日の雰囲気を
お伝えします。
★ キャロライン・ノーマさんのお話への感想
「日本とオーストラリアの人身売買での歴史的な背景を知ることができました」「オー
ストラリアと日本の性産業の関係性がとても分かりやすく、深く理解することができまし
た」「性売買については、東南アジア、中南米、ロシア、CISに多くの目が向いていると
思いますが、大洋州にも目を向ける必要があるのですね。不勉強であったこともあります
が、日本とオーストラリアの関係が意外に感じられました」「売春を合法化するというこ
とだけでは、資本化された商業主義的な性産業のなかで、女性や子どもの人権、売春者の
人権を守ることはできないということがよく分かって面白かったです。また、売買春とポ
ルノグラフィの問題が地続きであることを改めて考えさせられました」「オーストラリア
という国のイメージはおおらかでステキな“観光”というものでした。どの国にも暗いも
のはあるのだとよくわかりました。また、日本のポルノ文化の影響の大きさにおどろき、
また悲しくなりました」「こういった所で日本とオーストラリアがつながってしまってい
るなんて知らなかった。また、『文化』として日本のポルノの内容が美化され、ポピュラー
になっているということは、ショックだった」
★キム・コ・ヨンジュさんのお話への感想
「同じアジアで性売買防止法という法律の制定が完備していることに刺激を受け、勇気
づけられます」「10代の買春問題について、日本と共通する部分も多く、興味深かった」
「韓国の問題には関心があるので家父長的社会における女子の地位向上と性問題の相関は、
日本でも重要な観点だと思う」「とてもわかりやすく、よく研究されていて実情には驚く
ことばかりだった。その“自発的な性売買”って、女性としてどうとらえたらいいのか、
もう少し詳しく知りたいと思いました」「やはり日本のさまざまな影響や余波をうけてい
る事(援助交際・漫画etc)が話されていたが、グローバルな視点で、せめて意識ある女
性が手をつないで売買春防止ととりくむ必要性を感じた」「性売買防止法の最初の説明を
聞いて、日本よりいいじゃないかと思ったが、実際をともなっていない現状がわかった。
最後の相互矛盾以降のことがとても印象的だった。自発的性売買は結局自己責任となって
いて、本当に現実はひどいと思ったし、男性優位社会への強い疑問を感じた」「フィール
ドワークの発表ということで、実際に経験した方たちのリアルな意見を聴けたのが貴重で
した。現実に起こっている出来ごとと、それに関わった人たちが何を思っていたのかを知
れた」
★大森佐和さんのお話への感想
「子どもポルノは、はっきり性虐待といって下さってありがたかったです」「日本のポ
ルノ問題について整理ができ、改めて早くポルノ規制を強化し、ポルノ/性の搾取を失く
していかなければと思います」「何ゆえ子どもポルノ規制が進まないのか、その問題の核
が見えたような気がしました。また先生の力強いメッセージ“大人の責任”“子どもの人
権を守る”ということが伝わってきました」「男性や国家がきれいな言葉をつかって(表
現の自由、国家権力恣意的乱用のおそれなど)本質をそらしているように感じた」「児童
ポルノについて、国を越えてという部分、考えたこともなかったです。勉強になりました」
また、シンポジウム全体についても以下のような感想をいただいています。
「3人の話しがわかりやすくなり、今後の方向性がもててよかった」「オーストラリア
・韓国・日本のそれぞれの今の問題を聞くことで、今までは、日本の実の問題に焦点をあ
てがちだったし、日本のことしか知らなかったので、実は性的問題は国を問わずに存在し
ていることを認識できました」「各国の被害の状況、各国の関わり合いについて詳しく知
りえることができ、被害は一国だけでは解決できないものであると理解することができま
した。外から見た海外からの目としての日本国内の被害の状況を客観的に知ることができ、
貴重な時間でした」「キャロライン・ノーマ氏のお話も、キム・コ・ヨンジュ氏のお話も
他国の実情に触れる有意義な内容でした。ただ時間がもう少しあれば・・・台風がうらめ
しい」「毎回このようなシンポジウムの企画・実施に感謝しています。グローバル化して
いる世界においてアンダーグラウンド化して増殖する性産業、人身売買、子どもポルノの
現状を知ることができました」「パネルディスカッションでは、日本の状況を客観的に見
た貴重な意見を聞くことができてよかったです」
以上のようなご意見の他にも、いくつか批判的な意見や改善の提案などもいただいてお
ります。これからの活動の参考にさせていただきます。また当日は、私たちからの要請に
応えて、多くのカンパも寄せられました。参加者のみなさん、まことにありがとうござい
ました。
これで、朝日新聞厚生文化事業団からの助成金にもとづく活動は一段落します。今後、
十分な資金がないもとで、どのような形で活動を継続し発展させていくか、会の中で話し
合って決めていきたいと考えています。少なくとも、今回のシンポジウムの報告書につい
ては、来年の春ごろには発行する予定にしています。シンポ当日の資料集には載せられな
かったさまざまな資料(韓国の種々の法律や日本における児童ポルノ法の各党の改正案な
ど)を掲載する予定です。詳しいことが明らかになりしだい、またこのメルマガでご報告
します。
■PAPSリーフレット完成
前回のメルマガで、私たちの会について簡単に紹介するA43つ折りのリーフレットを
作成中であると報告しましたが、無事、リーフレットが完成しました。9月30日のシン
ポ当日には間に合いませんでしたが、ホームページからダウンロードできるようにしてあ
りますので、ご自由に入手してください。また、可能であれば、お知り合いの方にお配り
ください。