メルマガ50号 相談支援事業の相談

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●●ポルノ被害と女性・子どもの人権プロジェクト メールマガジン
                 vol.050 2017年04月02日 発行

【ポルノ被害と性暴力を考える会】

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桜が開花し、、いよいよ本格的な春を迎える季節となりました。

 相談支援事業の相談が2013年以来通し番号で320件を越えました。毎日約100件の相談が並行して進行しています(解決に時間がかかっている人も含まれますので・・)。とくに2017年になっての新規相談が急増しています。各メディアでも取り上げられるようになった結果なのだと思います。

 これは慰安婦問題で金学順(キム・ハクスン)さんが名乗り出た後で、各国の沈黙を守っていた被害者の方たちが次々と名乗り出てきた状況とよく似ているなと感じています。

 こんなことを相談してもよいのだろうか、私も悪いんだけど、誰に相談してよいのかもわからない・・・。それが相談してもいいんだ、私だけではなかったんだと考える人が、さまざまなルートで相談を寄せてきています。

 相談支援についてさまざまな意見が出てきています。いわく本人の話を鵜呑みにして大丈夫なのか、裏はとっているのか、AV業界つぶしをねらっているのか等々・・・・・。

 私たちの立場は一貫しています。相談を寄せて下さった方の「困っていること」によりそい、一緒に考えていっているだけなのです。百人百様の相談に対し、支援者がストーリーを作ることなくじっと耳を傾け、ご本人の意思を確認して必要な支援をしている、その結果として現在の業界の問題点が浮き彫りになってきているのだと思っています。

私たちは、ご本人の「意思決定」を大事に相談にのっています。結果として対人援助の基本の基、(個別化(百人百様)、受容、非審判的態度、自己決定の尊重、秘密の保持など)をふまえていることに気づきました。必要のない情報は集めないということも含まれて(本名を名乗らない方には、お聞きしないなど)います。あくまでも「その人が困っている事」に焦点をあてた支援なのです。その相談の中からいろいろなものがみえてきています。
解決に年単位の時間がかかる方もいます。その中で、はじめは混乱して弱々しかった方たちが力強く変わって行くさまは支援者として励まされ、支援者として育てられていると実感します。

相談支援がはじまったばかりのころ、名もない団体に勇気を持って相談して下さった相談依頼者に対し、窓口になっていた支援者は、できるだけ10分以内に返信しようと努力しました。それは返事がおくれるとやっぱり怪しい団体だったかと連絡が途切れてしまうことを怖れたからです。夜中から明け方にかけて、親にも友達にも相談できないこの問題について、一人で抱えるには重すぎる、不安に押しつぶされてどうにかなってしまいそう、どこか相談できるところはないかと一生懸命探してやっとたどり着くのです。私どもは細い細い糸を切るまいと必死でした。
 「どうやって私どもの団体をさがしましたか?」と聞くと、「AV・後悔」で検索したらパップスに結びついたと言う方もおりました。そして口を揃えて「私も悪いのですが・・」と言っていました。2013年、2014年の初期のころに相談して下さった方の勇気に感謝、よくぞ私どもを選んでくれたと思います。

 若い女性の無知に乗じた騙しの手口、理不尽な要求などさまざまなことが明らかになってきています。

 2017年3月14日内閣府は「若年層を対象とした性的な暴力の現状と課題」~いわゆる「JKビジネス」及びアダルトビデオ出演強要の問題について~を発表しました。
 これは「男女共同参画会議女性に対する暴力に関する専門調査会」の報告のとりまとめで、今後の課題として①更なる実態把握、②取締りの強化、③教育・啓発の強化、④相談体制の充実・強化、⑤保護・自立支援の取り組み強化を打ち出しています。
そして、現在悩み苦しんでいる被害者の支援及び今後の新たな被害者を生まない観点も踏まえ、各課題に係わる施策のうち、速やかに取り組む必要があるまたはとりくむことができるものについては、相互に連携し、スピード感を持って対応と記されています。

 このように、今政府(内閣府)は相談体制を作る作業を急速に行っていますが、形だけのものが出来上がらないよう、注意深く見ていきたいと思います。窓口はたくさんあったほうがよいのですが、支援の質が担保されなければ二次被害を生むことがあるからです。

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