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AVなどの被害に遭われた方へ
ポルノによる被害を受けた人は、実際に私たちの身近にも大勢います。具体的に制作被害を受けた人々の事例を見てみましょう。
施設で育ったAさんの事例
子どもの頃から児童養護施設で育ったAさんは、施設を出てから、苦しい生活を余儀なくされていました。そんなとき、友達から、お金がこれほど儲かる仕事はないと誘われて、AさんはAVの制作現場に飛び込んで行きました。
最初のうちはちやほやされて楽しく感じましたが、そのうち、「もっと頑張ってみようよ」とか「金を出しているんだからやれよ」とか、脅したりすかしたりされながら、「演技」する内容は、だんだんに肉体的にも精神的にもきついものになっていきました。
Aさんは、心身ともに深く傷つき、自殺未遂や病院の入退院を繰り返し、福祉施設を転々とするようになりました。現在、ようやくAさんを支える多くの人々にめぐり合い、人生を生き直す見通しが少しだけたってきたところです。
「どうか私みたいな女の子を生み出さないで」、Aさんは自分の経験を語りながらそう訴えています。
騙されて出演させられたBさんの事例
とくに家庭に問題がない場合でも被害に遭う人は大勢います。Bさんは、都内の大学の帰り道に、芸能スカウトと称する人物に声をかけられました。日ごろよくスカウトに声をかけられるので断りましたが、あまりにしつこいので、話だけ聞くことにしました。
その人物はBさんをスタジオに連れ込み、無理やり彼女の裸の写真と身分証明書のコピーを撮りました。Bさんは、AV出演契約書にサインしなければ帰ることができないと言われ、長時間、事実上の監禁状態に置かれました。その際、「仕事は選ぶことができるし、裸にならないグラビア撮影もあるから心配することはない」と言われました。彼女は長時間の「説得」に疲れていたこともあって、後で契約は無効にできると思い、契約書にサインすることにしました。
しかし、それはまったくの嘘でした。後日、彼女は呼び出され、AVへの出演を断れば「これまでかかったお金300万円を支払ってもらう」、「親や学校に知られてもいいのか」と脅され、さらにその場でレイプされ、その場面をビデオに撮られました。それ以降は怖くて抵抗できず、1回だけという約束でAVに出ることになりました。
しかし1回だけではありませんでした。次も出てもらわないと、これまでかかったお金を払ってもらうと繰り返し脅され、何度も出演させられました。絶対バレないと言われたのに、撮られたAVは大々的に販売されて、同級生に知られてしまいました。いつか親にも知られてしまうのではないかと毎日怯えながら生活しています。
それは被害です
AさんやBさんは出演に「合意」し「契約」したのだから、結果責任を負うべきでしょうか? 「だって、お金をもらってやったことでしょ」と言われることがあります。
通常のドラマや映画で切られ役で出演している人は実際に切られることはありません。リアルな映像が必要だからといって、実際に人を切ってしまったら、それは犯罪です。
しかし、自分の性的快楽のためにポルノを消費している人々は、実際に「それ」が行なわれていることを期待して観ています。そしてその中で実際に女性はさまざまな性行為を強いられ、縛られたり、殴られたりしています。制作者たちはいかに「過激」な映像を実写で撮るかで商品価値を上げようとします。
何らかの契約があっても、金銭の授受があっても、被害は被害です。形式的に出演に同意し、お金をもらっていても、そこで受けた被害はれっきとした人権侵害であり、そのように扱われる必要があります。けれども、「お金をもらってしまった」「契約書にサインしてしまった」という事実に縛られて、自分を責めたり、自分を被害者と感じられず、心身にさまざまなダメージを受けても、どこにも相談できないでいる方が大勢います。
私たちはそういう人々にこう言います。「あなたが受けたことは被害です。それは人権侵害です。あなたには侵害された権利を回復し、被害を訴え、支援を受ける権利があります」と。
あなたはひとりではありません、どうか勇気をもって、PAPS、支援団体や性被害の問題に詳しい弁護士に相談してください。